動きの中にある息の法則 の紹介
動きと息の関係をテーマとして研究してきました。するとある法則が明確にあるという事実と出会います。この法則を「動きの中にある息の法則」と名付けました。動くことも、息をすることも生きている証しです。生命が動きの根底にあるためにこの生命に対する理解なくして息と動きの本質を解明することはできないでしょう。
今日の医学がこの生命の問題をどうとらえているのでしょうか。子供が生まれる時、男の子が授かった。女の子が授かったと歓喜するのです。この授かった命、そしてその命の根源を解き明かす事こそ最も本質的な問題なのです。
命の根源が深くわかるほどに動きと息の関係も解き明かされていくと確信しています。
原因と結果から生命の本質を掴むことができるのでしょうか。生きている者は動きます。呼吸運動を土台としての動きを研究してみると色んな事実と出会います。今日、私なりに感じた動きを幾つか紹介します。
例一:ポスティングの動きを考察
ポスティングをするとき左手にチラシの束を持ち歩くときと、右手にチラシの束をもって歩くときとの違いがあるのでしょうか。前者は歩きづらく後者は歩きやすいのです。それはどのような理由になのでしょうか。
結論からいいますと左手が左足と右足そらから体幹部を支配しているからなのです。右手のみ独立した構造となっているためなのです。私達のカラダは左右対称のように見えて左右非対称の構造をもっているので動きにおいてもその構造的支配を受けることになります。
その左右非対称の構造を見てみましょう。まずリンパの流れが左右非対称です。筋の動きがリンパの流れのポンプとなっているため、このリンパの流れから考察できる結論は右手のみ独立している。ということです。右胸部を土台とした右腕のリンパのながれは右鎖骨下にながれこみます。しかし、左手 右足 左足 体幹部のリンパは左鎖骨下に流れ込むという事実から右手は筋の連動から独立していると理解できます。
歩くときにおいて左手を自由に動かすことができると右足 左足の動きは良くなります。つまり、左手は右手以外を主管しコントロールしている司令塔の役割を担っています。この左手の動きを抑制するとき歩きがぎこちなくなる理由がここにあります。
例二 目線による息の考察
右下に視線を向けると息を吐きづらい。 右上に視線を向けると息が吸いやすい。何故か?では左下はどうか。吐きやすい。左上は吸いやすい。では左右の違いがあるのでしょうか。あります。明確に違いがあります。
例三 心臓の位置の非対称性
動物は心臓が前に50度傾いています。心突部が後ろにあり心底部が前に50度傾いた形です。人はここから90度右回旋を起こしています。何故?このような構造にしなければならなかったのか? 人の動きの特徴は回旋です。動物は上下の動き もしくは左右の動きが主ですが人は直立しており回旋の動きが主となっているために心臓を守る為の構造として90度右回旋を起こしています。詳しくは後述
例四 横隔膜の非対称性
心臓が右捻転をしているために横膈膜も左右非対称になっています。右と左の構造が異常なほどに違います。この構造がもたらす力学的な意味は何処にあるのでしょうか。横隔膜の隠れた機能は姿勢維持のための構造を有しているということです。それは止息という動きにて説明できます。重たい物を持ちあげる時、無意識に沢山息を吸って息を止める動きを私達は行います。この構造が左右非対称の形に組み込まれています。詳しく説明するためには図解が必要になります。この仕組みは現代医学の常識からは外れているのです。医療関係者の方は多くの方が理解に苦しまれる解説となります。現代医学はまだ多くの部分が解明されていないと考えています。詳細はかたりませんが、非対称になっている理由は姿勢維持のためであり、動きの拠り所を息とするためです。
例五 腸間膜根の走行の非対称性
腸間膜根は横膈膜とも連結し左上から右下の仙腸関節前面に付着している。腸間膜根は臍であり、胎児が酸素と栄養を頂いた臍の緒から移行したものです。胎児の時、臍の緒の中に腸は随分入り込んでいます。胎児のお腹に収まっていないのです。飛び出しているのです。そして270度右回旋をしています。胃も只の管から胃の形に移行するとき右回旋にて今の形に変化しています。その理由は何故なのでしょうか。
角運動量保存からみた体の安定
人の動きの特徴は回旋です。つまり捻じれて力をだしています。この捻じれが安定するために相反する方向性をもった回旋が同一の個体の中で同時に起こります。これが人と動物の動きの最大の違いです。相反する動きの中で動きは安定感が現れます。その安定した動きは美しく力強い特徴を合わせ持っています。
息と動きの関係のおいて探してきた動きは第一に安定している。第二に美しい。第三に力強い。この三つでした。この根底にあるのが息となります。
息と動きの考察一
右手親指と人差し指にてオーリングをつくると吐きやすい。右手親指と中指を合わせると吸いやすい。
椅子に腰かけ、右腿を上に少し浮かせると吸いやすい。左腿は吐きやすい。
すべての筋(横紋筋)の収縮と呼気吸気を調べていくと必ず呼気吸気で充実する筋の動きは決まっている。つまり息と運動筋は明確な相対関係をもっている。
この内容を詳細に調べてみると、呼気で充実する筋が全て動くと體の芯は左回旋をおこす。吸気で充実する筋が全て動くと右回旋を起こします。吸気、呼気と充実する筋をもし使わなかった場合、それは歪みとなって現れる。この歪みの根本原因を共縮といいます。
共縮という筋の状態が全ての病気の根底にある事実
例えば呼気にて充実する筋をつかい、重たい物を持ち上げたとします。すると呼気でその筋は充実して力を発揮するので大変楽に重たい物をもてます。しかし、呼気で充実する筋を使わずに重たい物を持ち上げた場合、円運動にならず、直線の動きになる特徴があります。そして重心の位置が狂います。人間の動きの特徴である回旋の動きができないのです。息にて充実する筋を使わずに弛緩する筋を意識の力にて使ったために前も後も上も下も左も右も縮んだ状態になります。拮抗する筋が共に縮む状態です。平たく言えば筋が硬くなっているのです。この状態では血流も阻害され、リンパの流れも阻害されます。
息と動きを観察して発見したことは、呼気 吸気で充実する筋があるという事実でした。人の動きは呼気 吸気を土台として設計されています。これをもっと深めて考察すると呼吸という運動の構造がどうなっているのかという問題です。
呼吸運動とは何か。この息の仕組みを解明する必要があります。
この息の仕組みをテーマとして考察・臨床をとうして動きと息との関係はこうではなかろうかと提案している理論を「動きの中の息の法則」と呼びます。今回は概略を理解して頂ければと思う次第です。
